いきなりですが、唐突に思いついた短文を忘れないうちに文字にしておきます。
オタクっぽい話が嫌いな方は、読まないでください。
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終わらない夏休み。
8月21日午前6時30分。
洗面所で一緒になったキョンくんは、
おざなりに歯を磨いて、ざざっと顔を洗って、ぱぱっと寝癖を直して、
まだぐずぐずと髪を結っていたわたしを追い越した。
背後をすり抜けるようにして出て行きかけて、ふと、キョンくんはこちらを振り返った。
「なあ」
わたしは思うような位置に留まらない髪ゴムに苦心していたけれど、
名前を呼ばれて、少しキョンくんに視線を向けた。
「 」
わたしは迷った。逡巡した。
その迷っているわたしが、変な顔をして困っているように見えたんだろう、
キョンくんは、
「ああ、いや、何でもない。変なこと言って悪かった」
そう言ってごまかして、足早に洗面所を出て行ってしまったのだった。
まただ。
思ったけど、どうしようもない。
後悔は初めてじゃない。
そうだよと言えばよかった。信じてると言ってあげればよかった。
これは、15498回目の後悔。
知ってると言えばよかった。大丈夫だよと言ってあげればよかった。
これは、8769回目の後悔。
15498回目の夏、
わたしは疼くような心を持て余し、
8769回目の夏、
わたしはあなたの背にきれいに噛み殺した嗚咽をぶつける。
どうかこれが最後でありますように。
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季節外れにも程があるっ!
それはさておき、
8769回目の後悔『MAPLESTORY』sideのもともとのサイト名の由来はこんなところにあったのでした☆
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